子どもの母語習得と外国語教育

子どもの言語教育

新年あけましておめでとうございます。
今年はブログをどんどん書いていきますよ〜。

2019年最初の記事は
子どもの母語習得と外国語教育。

私は今3歳になったばかりの娘を育てています。
4分の1台湾人の娘です。

マレーシアで妊娠、日本で出産。
0歳の時はヨーロッパに在住。
1歳の時は台湾、ミャンマー、バリ島に滞在。

2歳からは日本(兵庫県)で普通に暮らしています。

2歳までに7カ国に行った国際派の娘の言語発達をみていて
気づいたこと、語学教師としての子どもの言語教育についての
考えを書いてみたいと思います。

3歳0ヶ月の娘の言語能力

今娘はたくさんおしゃべりします。

文章で言えるようになってきました。

「アンパンマンのチョコレート買ってくるね」
「今作ってるんで〜ちょっと待ってくださ〜い」(おままごと中)

「なんでリボンついてないん?」
「そんなん言ったらあかん!」(関西弁)

「今日ね〜先生とこれちゅくったよ〜」

発音については

「つ」の発音はまだ「ちゅ」で可愛いです。

「いただきます」は上手に言えるけど
「ごちそうさまでした」は「ごちそまんでちた」ってなります。

つまりタ行とサ行の音は口の筋肉がもう少し発達するまでは
しにくいのがわかります。

文法的には日本語教師として母語の習得の様子を
直近でみられるのが本当に面白いです。

大きくになったよ。

い形容詞とな形容詞が一緒になっていて
使い分けはちょっと難しいんだな、とわかります。

外国人の日本語学習時も同様です。
成人の日本語学習者の場合は

大きくになった。というように、い形容詞に「く」と「に」の
両方をつける間違いはあまりないですが

大きいになりました。という風に「く」に変化させずに
い形容詞に「に」をつけるという間違いをよくやります。

 

2歳から英語教育は必要ない

ベネッセの子どもチャレンジを取っていますが
2歳から子どもチャレンジenglishも取っています。

それは0歳の時ヨーロッパに住んでいて
その後もヨーロッパに住む予定だったから。

事情が変わって日本で暮らしていますが
2歳の1年間英語教材を見せてみて
感じたことは

日本で生活していて両親ともに日本人なら
幼児の外国語教育は必要ない!

2,3歳は母語を急速に習得する時期です。

りんごをみて「りんご」というんだとわかります。
だけど同時に「apple」と教えられます。

「りんご」と「apple」両方同じものだと覚えるものも
あれば

車をみて「車」と覚えたところを
「carだよ」と言われたら
「違う!くるま!」と怒るときがあります。

つまり混乱しています。

1つのものの名前を覚えようとしている時に
その時によって違う言い方を聞かされれば
当然混乱します。

それはまだ「日本語」「英語」などこの世の中には
色々な言語があるということを知らないからです。

2歳は母語を覚える時期。

うちの子はりんごをみて「りんご」じゃなくて
「apple」って言うから大丈夫ですよ、と
言っているママがいましたが、それも間違いです。

日本人で日本で生活していてりんごを
「apple」とだけ言うのは不自然です。

国際結婚カップルの家庭で育った
子どもはバイリンガル、マルチリンガルになって
羨ましい、という声もよく聞きます。

だけど実際はハーフたちはどっちの言語も完全じゃない、
と悩んでいたりします。

母語の言語体系を脳内に構築する幼児期に
複数の言語を聞かされたり教えられたりして
混乱したためだと思われます。

2020年から小学校高学年で英語が国語などと同様に必須の
「教科」扱いになるそうですが、
早くても教養としての外国語教育は小学校からでいいと
私は考えます。

第二言語習得理論の研究によれば
外国語を完全に習得できる年齢は9歳あるいは11歳まで、という説が
あります。

私はなんとなく11歳ごろまでに始めれば
ネイティブ並みに習得できるのではないかな、と感じています。

でも中高で海外留学も大差なく習得できると思います。
まあざっくり20歳までに外国語のシャワー浴びたら
その言語で十分に仕事や生活ができると思います。

私は5歳ごろから英語に興味をもち、自分でやりたいと言って
英語教室に通わせてもらったりしました。(長期継続はしていません)

それで高校も英語科、大学も外語大学、
大人になってから海外でも英語で困ったことはありません。

でもお子さんが特に英語などの外国語に興味を示さなければ
無理にやらせる必要もないと思います。

今は翻訳機械も進化している時代。
人それぞれ興味のあることが違うから
本人が興味を示したことが才能であり強みです。

娘は英語ロシア語中国語のyoutube動画も
日本語と同じように普通にみていますし
押したら音声がでるバイリンガル知育トイで
英語を言ったら真似したりもします。

「これabc書いてるね!」と最近はちょっとアルファベットにも
興味を示しています。

特に制限せずに外国語を聞かせるのはいいと思います。
わざわざ「教える」必要はないです。

子どもは勝手に学習していくので。

でも幼児期は何より母語を確かなものにさせたいので
子どもチャレンジenglishは今年度はやめて
日本語の絵本をプラスするコースに変更予定です。

4分の1台湾人で、母である私も中国語の仕事をしているので
中国語は5歳くらいになったらなんらかの形で触れさせようと
思っています。

 

母語習得の重要性

先に少し触れましたが
幼児期に母語の言語体系をしっかり脳に構築するのは
ものすご〜く大事です。

なぜなら母語とはただのコミュニケーションツールではなく
”思考する言語”だから。

言葉の大きな目的は人とのコミュニケーションであり
自分の欲求を相手に伝えるために不可欠のツールです。

だから幼児は生きるために必須の言葉から覚えます。

ママ、まんま、ちょーだい。いや。

快適に生きるために自分が何が欲しいのか、何が嫌なのか
これを目の前の相手に伝えなればなりません。

そしてその次に、頭の中で思考することを始めます。

私たちは日々休むことなく頭の中であーだこーだ思考しています。

頭の中の独り言の言語はその人の母語です。

日本人なら通常は日本語で思考し、それを要約して相手に伝えます。
外国語を話すときは日本語で考え、それを翻訳しています。

直接外国語で思考する、というのは外国語環境で育った人でない
限り、普通はできません。

大人になってからでも訓練すればある程度できるようになったり
しますがすぐに母語思考に戻ります。

頭の中に無限に浮かぶ雑念を言語化するためには
相当の語彙と表現力が必要です。

外国人とコミュニケーションするには実はそれほどの語彙量は
必要ありません。

英語で言えば中学レベルの語彙で十分に会話が成立します。
知っている単語でわかりやすく言えばいいのです。

だけどそもそも外国人と会話がうまくできない、と
嘆く人は日本語でも会話がうまくなかったりします。

つまり話題がないんです。
母語の語彙が少ないのです。

翻訳の上手下手も、国語力にかかっています。
外国語力はほどほどでも国語力が抜群なら素晴らしい翻訳文に
なります。

数学の計算は得意なのに文章題が苦手という人がいます。
それは国語力です。

文章を読んで理解する力が足りないのです。

本を読んで一回で自分のものにできる人と
よくわからなかった、という人がいます。

本を読む力。文章を書く力。
会話力。思考力。そして思いやりの源である想像力。

これらの魅力的な人間であるために必須とも言える
様々な人間力は

母語の言語体系がしっかりと脳に構築されているか
どうかにかかっています。

漢字検定1級のような難解な漢字を知っている必要も
明治の文豪のような詩的な表現ができる必要もありません。

感じたこと思ったことを概ね言語化できるだけの
語彙力と表現力。相手に正しく伝わる文法力。

これは子供のうちに身につける必要があります。

 

国語力はどうやって伸ばすか

私は国語が一番得意でした。その次が英語です。
小学校から高校まで国語と英語は学年トップの成績だったし
全国模試で1位になったこともあります。

読書感想文や作文、弁論大会で受賞もしたし
大学の部誌に記載した記事は面白いと言って
後輩たちに伝説の記事として語り継がれたりもしました。

この国語力は一体どうやって身につけたのか?

答えは、読書 です。

小さい頃母は毎日絵本を読み聞かせしてくれたそうです。

文字が読めるようになった小学生の頃は
リビングの書棚にびっしり本が並べられていました。

世界文学全集、日本文学全集、日本昔話など。

私は学校から帰るとそれらの本を片っ端から読んでいた
記憶があります。

こたつに寝転んで文学全集を読むのが至福のときでした。

子どもは親に「やりなさい!」と言われるとしたくなくなるもの。

親にできることは、やりたくなった時にすぐにできる環境を
作っておくことです。

読書はいいものだから毎週1冊読みなさい、とか指示されると
絶対嫌いになります。

そんなことは一言も言わず、ただ手に取れる場所に
本を並べておく。

興味を持つ年齢になったら勝手に読みます。

私も子供の小学校入学の時には
文学全集を並べようと思っています。

母に聞いたら私が読んでいたものはもう処分してしまったと。
こういうのを代々受け継ぐのもいいですよね。

 

子供の力を伸ばすために親ができることは環境を整えておくこと

私自身の育った環境からも証明されていますが
娘を預けている大学教授でもある園の理事長先生もおっしゃっていました。

子どもにひらがなを覚えさせたいと思ったら
ひらがなカードを1枚1枚見せて
親が「これは、あ、これは、い」と教えたりしてはいけない。

ひらがなが全部書いてある50音表をリビングとかトイレの壁に
貼っておく。

子どもは毎日見ていてある日パーンっと全部言えるようになる。

子供の学習能力ってすごいんですよ。
写真を撮るようにパーンッと覚える。

これは学力だけじゃなくトイレトレーニングなど生活習慣の習得にも
共通することだと思います。

子どもには学習本能が備わっているので
大人が逐一”教え込んだり””指示したり”する必要はない。

必要ないどころか逆効果のことも多い。

ただ、環境を用意しておく。

トイレならおまるや補助便座を置いておく。
トイレに付いてきた時に「ママはここでおしっこしてるよ」とか
何をする場所なのかを伝えておく。

そうしているうちに子ども自身の体の準備が整った時
自分から「トイレ行ってくるね」と1人で行くようになる。

これは今3歳になった娘が先月急にやりだして
トイレトレーニング気が重いなあ、と思っていた私が
実際感動したことです。

子どもはすっごく「見ている」、そして「聞いている」

そしてその子のタイミングで突然できるようになる。

大人からみれば「突然」のように思うけれど
子供の中では着々とステップを踏んで準備されていたこと
なんですよね。

書棚に文学全集が並べてあって
読みなさい、なんて言われた記憶は全然ないんだけど

毎日楽しく読んで結果国語力が高くなったのも、
親が読書環境を作ってくれていたからです。

子供の力を伸ばすには

「教えない。環境を用意するの。」ブルゾンちえみ風)

参考になれば幸いです。

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